最近、会社法の改正があり、所有者不明土地問題に関連して民法や不動産登記法の改正も行われる予定で、改正が続きます。
今回は、スーパー・ファストトラック・オプションについてまとめてみます。
スーパー・ファストトラック・オプションは、定款認証と会社の設立登記を同時に行い、一定の条件を満たせば申請から24時間以内に登記完了させる制度です。
定款認証の際の条件と、設立登記申請の際の条件がそれぞれあります。
定款認証の条件(公証役場)
1.株式会社の定款認証であること
2.オンラインによる申請であること
3.テレビ電話を使用した電子定款認証手続であること
設立登記の条件(法務局)
1.すべての添付書面が電子署名されていること(完全オンライン)
2.補正の必要がないこと
3.設立時役員が5名以内
4.登録免許税を電子納付
法務局の条件は、申請から24時間以内に完了させるためのものですので、添付書面を持参または郵送しての同時申請は可能ですが、その場合は24時間以内の完了はできません。
公証役場の条件は特に問題ないと思われますが、法務局の申請の際に、添付書面がすべて電子署名されたPDFのデータであることはネックになります。
なぜなら、発起人が電子署名できる必要があるわけですが、商業登記電子証明書やマイナンバーカード等公的個人認証サービスでの電子証明書が必要です。
商業登記電子証明書やマイナンバーによる電子証明書の普及率は、これから上昇していくだろうとは思いますが、現時点ではハードルは高い気がします。
今回の改正で、商業登記電子証明書がオンライン申請で請求可能になりましたが、マイナンバーカードを作ってカードリーダーを買った方が他の手続きにも使えますし、便利でしょうか?
不動産登記もそうですが、現時点では申請はオンライン、添付書面は持参または郵送の半ラインの状態です。早々に完全オンラインに移行してほしいものです。