司法書士ができること

相続物件の売買

こんにちは

おおきまちの司法書士です。

今日は良くある質問の一つである、相続物件の売買についてお話します。


次の例をもとに考えてみましょう

父:大木 太郎
母:大木 花子
子:大木 一郎
不動産:甲土地、乙建物

父大木一郎が亡くなり、相続が発生しました。不動産として
自宅の土地建物があります。

子の一郎は関西本社の会社で働いていて、結婚しています。

仕事の関係上、実家に戻ることは難しそうです。


母花子は自宅で暮らしますので、名義を一旦母名義にして
相続登記をしました。

1回目相続登記
所有者名義 父太郎⇒母花子に変更


数年後、母花子も亡くなり相続が発生しました。
相続人は子の一郎だけです。

一郎としては、相変わらず仕事の関係上、関西で働いています。

実家に戻る予定もないため、自宅の土地建物を売却しようと
考えています。

そこで、一郎は考えます。
「どうせすぐに売るのに、相続登記入れるのは登記費用が勿体ないな・・・

おかん名義のままで売買できへんやろか?」

できることなら相続登記を入れずに母名義の不動産を売却したいと思います。

非常に共感できる意見です。

いつのまにか、一郎は大阪弁になってしまってます。


ここで、一郎は不動産を母花子名義のままで売却できるか、

と言う問題ですが、答えは「できない」です。


別に、司法書士や法務局が報酬や税金を儲けようと

して相続登記を入れるわけではありません。

この例の場合、子である一郎一人しか相続人がいませんので

相続放棄や限定承認をしなければ単純な相続となります。

そのため、母名義の不動産も、所有権と言う点からは

一郎のものです。


所有権とは、自分の所有している物だと主張できる権利ですが、

所有者が母から子に相続により変わったとしても法務局の方で

自動的に名義変更をするわけではなく、あくまで権利者からの申請が必要です。

名義が母のままであれば、甲土地と乙建物が本当に一郎の所有物件で

あるかはわかりません。


そのため、一度所有者の名義を母花子から子一郎に変更する

相続登記を入れて、その後売却することになります。

良く、「相続登記を飛ばして売買できないんですか?」と

聞かれますが、相続登記を入れなければ売買は

できませんのでご注意ください。


売買が先に行われていれば、相続登記を入れずに

売買による名義変更をすることになりますが、

これは別な話になりますので、後日お話しします。