こんにちは
おおきまちの司法書士です。
前回から、交通事故についてシリーズもので
ご紹介しています。
今回は、物損で損害賠償できる種類についての続きです。
①修理代金
②買換差額
③評価損
④代車費用
⑤休車損
前回は②買換差額まででしたので、今回は
③評価損からです。
③評価損は格落損とも言われます。
事故者は修理しても新車の状態には戻りません。
部品を交換して故障個所を新品にしても、周りの部品が
損傷を受けており、数年後にその損傷が顕在化するかも
しれません。
また、塗装にしても一般の人が見てもわからないような
レベルではあっても、ムラが出ることもあります。
そして、修理した車を中古車として売却する場合には
事故車扱いになるため、事故に遭っていない同程度の
中古車よりも買取価格は低くなります。
評価損(格落損)は、修理代金や時価の何割かを損害と
して認定することになります。
全ての車に評価損(格落損)が認められるわけではなく、
そもそも、保険会社はこれを損害として認めない
傾向にあります。
理由としては、評価損が問題になるのはその事故車を
中古車として売却した時に初めて損害として認定される
のであるから、廃車にするまで乗り続ける場合には
損害として顕在化していないので、車の修理時点で
評価損(格落損)を払わなければならないのは
おかしいい、と言うものです。
評価損(格落損)については、判例では登録年数(車の新しさ)、
走行距離、車種、修理の程度等を総合的に判断して認定
しています。
車種の市場での希少価値も関係しているようです。
一般的には、登録したてで、ほとんど走行していない
高級車が大規模な修理が必要であれば評価損(格落損)は高くなります。
逆にいえば、年式の古い、走行距離が長い軽自動車は
評価損(格落損)が認められないケースもあります。
過失割合が100:0で、相手が一方的に悪い場合でも
保険会社の方から評価損(格落損)について積極的に
払う事はありませんし、一般の方がご自身で交渉しても
取り合ってくれないことが多いようです。
評価損については、上記の条件を総合的に判断するため、
一律に修理代金の何割と言う損害の算定は難しいのですが、
弁護士・司法書士が交渉すれば保険会社も払う可能性は
高まります。
その点が専門家に依頼するメリットでしょうか。
評価損(格落損)だけの説明で結構な文章量になりました。
交通事故の分野は、相続や遺言以上に一般の方に馴染みの
ないものと思われるため、通常よりも文章量が多くなっても
伝わりやすさを重視して書いています。
次回は④代車費用と⑤休車損について、まとめてご紹介します。
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