面識があるのに面識なし

こんにちは

おおきまちの司法書士です。

暑かったり涼しかったり寒暖の差が激しかったのですが、

最近は日中は半そでで過ごせるくらい気温も上がってきました。

もうすぐ梅雨ですね。


どんな仕事でもそうかも知れませんが、知っているつもりが

意外な所が盲点になっている場合があります。

今回は少し実務的な話です。


不動産の売買や贈与等では、登記済証、登記識別情報等の

通称、権利証が必要になりますが、昔所有者になった方は

権利証を紛失してしまっている場合があります。

権利証を紛失している場合の対処方法としては①事前通知か

②本人確認情報のいずれかになります。

事前通知は本人確認情報を作成しなくても済むので、

個人間の贈与等、権利者が特にしない場合には使いやすい

のですが、銀行の融資がある場合や、売買の場合には通常

利用できません。


そこで本人確認情報の作成の出番ですが、これは資格者代理人(通常は司法書士)か

公証人が義務者が本人=所有者に間違いない事を確認した上で

権利証がなくても名義変更や担保の設定を可能にする制度です。

昔は、保証書の制度があったのですが、あれとは微妙に違う点があります。


さて、この本人確認情報ですが、面識の有無で書面の記載の仕方が変わってきます。

ここで言う面識の有りの場合ですが、単に数ヶ月前に知り合ったと

言うだけでは足りません。


不動産登記事務取扱手続準則と言うものがあるのですが、その49条には

要約すると以下のように書かれています。

申請人と面識ありというのは、次に掲げるいずれか

1.今回の登記申請の3ヶ月以上前に、資格者代理人として本人確認情報を
  提供して登記の申請をしたとき

2.今回の登記申請の依頼を受ける以前から申請人の氏名・住所を知り、かつ
  申請人との間に親族関係、1年以上にわたる取引関係その他安定した継続的な
  関係の存在があるとき


先日、本人確認情報を作成する機会があったのですが、その前に

住所変更の登記の依頼を、後日売主になる方から受けていました。

「これは面識ありなのでは?」と思ったのですが、調べてみると

上記のとおり、それだけでは条件を満たしていませんでした。

実際の面識はあるのですが、本人確認情報作成の上では面識無と

言うことになります。


その方は顔写真入りの住基カードをお持ちだったので良かったのですが、

高齢で免許証を返納している場合、身分証明書としては保険証くらい

しかないため、本人確認の書面として要件を満たさないことがあるので

注意を要します。

権利証が最初からあれば何の問題もないので、登記する当日に

慌てないためにも権利証の有無は早い段階で確認しておきたいところです。

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