こんにちは
おおきまちの司法書士です。
お盆休みも終わって気だるい感じの週初ですね。
さて、今回は司法書士ができること その3として
成年後見業務について取り上げます。
成年後見と言う言葉自体は社会的に浸透しつつあると
思いますが、この制度は2000年くらいから始まっており、今年で13年です。
以前にも、成年後見の前身となる制度があり、禁治産・
準禁治産制度と言うものがありましたが、この制度に
ついては使い勝手も悪く、また差別的なイメージを連想
させる用語であるため制度利用は思うように進みませんでした。
そこで新たな制度として登場したのが成年後見制度です。
成年後見とは、自己の財産を管理するのに判断能力が欠け
ていたり、低下していたりする場合に、裁判所へ申立をすることにより
本人に代わって財産を管理し、本人の権利擁護をする法定代理人を立てる制度です。
これを利用することにより本人の財産の散逸を防ぎ、
老人福祉施設や病院への入所手続きや遺産分割協議をはじめとするや
相続手続きや不動産の売却等を円滑に進めることができます。
成年後見人は家族でも就任できますが、本人(後見を受ける人のこと)の
財産が極端に多かったり、遺産分割協議が必要な場合等、
専門的な知識が必要となる時は、司法書士等の
専門職後見人が選任されることになります。
仮に家族が後見人になっても、専門職が監督人(後見人を監督する立場の専門家)に
就任することがあります。
後見の申立の段階で「この人を後見人にします」と言う
候補者をあげていても、必ずしも裁判所がその通り認める
訳ではありませんので、その点は注意が必要です。
成年後見の種類については3種類ありますが、今回はそれには触れず、
ざっくりとこういう制度があると言う事だけ紹介します。
司法書士が成年後見でできることですが、後見人や監督人の就任は
もちろんですが、申立書類の作成も可能です。
後見人は家族が就任予定だが、申立書類の作成は司法書士に
依頼すると言う事も可能です。
裁判所への提出書類となりますので、一般の方が一から作成して提出することは
かなりハードルが高くなります。
そのため、司法書士が書類を作成して、その後家族が
後見人に就任して実際の後見を進めて行くと言う形が
無駄がなくて良い場合もあります。
もちろん、後見人に就任する予定の方が自力で作成して
裁判所へ提出するのが原則ですのでこちらの方法でも
問題ありません。
最近の裁判所は親切ですので、書類作成上わからない点は
質問すれば回答してくれると思います。
一般の方が就任する場合、注意点は2点あります。
①成年後見制度の制度趣旨をよく理解して利用すること
この制度はあくまで本人の権利擁護のための制度ですので、
後見人に就任したからと言って本人の財産を自由に使えると言う事ではありません。
そもそも、その行為は業務上横領となり、刑事罰の対象ですので絶対にしてはなりません。
後見人の業務が、自分の管理能力を超えるものであれば
なおさら専門職後見人に任せた方が良いでしょう。
②本人の財産状況について正確に把握すること
成年後見では毎年少なくとも一回は裁判所への報告が
義務化されています。
また、それ以外でも大きな財産の変動があれば
報告義務があります。
後見人は本人の法定代理人ですので、幅広い代理権を有していますが、
その反面大きな責任を負っているということに注意しなければなりません。
家族の方が就任できるのであればそれに越したことはありませんが、成年後見について
正しく理解していて適切に
対応できることが前提となりますので、申立書類作の段階で
司法書士に相談することは、その後の後見業務に大きく役立ちます。
裁判所から、あとになって解任される
ような惨事を起こさないように注意しましょう。
おおきまちの司法書士は、現在後見人にも
監督人にも就任しています。
もちろん、後見申立書類作成についての
相談も受け付けています。
次回は債務整理についてご紹介します。