こんにちは
おおきまちの司法書士です。
GWの中日の平日ですので、事務所としても
普段よりも時間に余裕があります。
前回からだいぶ期間が空きましたが、今回も物損で
損害賠償できる種類についての続きです。
①修理代金
②買換差額
③評価損
④代車費用
⑤休車損
前回は③評価損まででしたので、今回は
④代車費用と⑤休車損からです。
④代車費用について
修理期間中や新車買換え期間中に代車を必要として
使用した場合には、その代車の費用も損害として
認められます。
代車を借りなくても他の公共交通機関を利用する
ことにより格別の不具合が生じない場合には、公共交通
機関を利用すべきであり、その場合には代車費用でなく
公共交通機関を利用した限度での損害を認めるべきで
あると言う裁判例もありますが、都心ならいざ知らず、
福岡県南部のようにバスや電車の便数の少ない地域では
代車は必要ですし、実際その費用も認められることに
なると考えられます。
代車は基本的に修理完了や新車の買換えの時期まで
認められるようですが、修理の時点で揉めていたりすれば
期間は伸びます。
その場合でも、被害者が合理的な理由なく修理を拒んでいるような
ケースでは、代車の期間が全て認められると言う事では
ありません。
⑤休車損について
タクシーやバスのように、業務としてその自動車を
利用していた場合に、交通事故に遭いその使用ができなく
なれば当然業務もできなくなります。
本来得られるはずであった利益(売上)が得られなくなる
と言うことで損害発生しています。
これが休車損です。
細かい事を言うと、売上そのものが損害になるのでは
なく、売上から車両を使用しないことにより免れた
変動経費(燃料費、高速代、修理代等)を差し引きしたものが
損害となります。
休車損については、予備の車両等の使用していない遊休車が
ある場合には認められません。
理由としては、交通事故に遭ったその車がないからこそ
業務ができず本来えられるはずであった売上が得られない
と言う事ですので、遊休車がある場合にはそれを使用すれば
売上はあげられますので損害として認定することが
できないためです。
以上のように物損で請求できるものを見てきましたが、
一般の方だけで保険会社と交渉しても最も認めてもらい
にくいのは③の評価損でしょうか。
売却する時に損害として顕在化するため、事故の時点
では損害として考慮するのはおかしい、という理由で
評価損については認めたがらないですが、常識的に考えて、
事故に遭った車に乗り続けたくないですよね。
中古車市場でも、事故車扱いになると査定価格は下がりますし、
仮に売却しなくとも損害と認定しても差し支えなく、
実務的にも様々な条件によりますが評価損は認められます。
過失割合が100:0でない限り、双方ともに任意保険
に加入していれば任意保険の担当者が付きますが、
100:0の場合、被害者には保険会社の担当者が付かず
基本的には自分で加害者側の保険会社と交渉する
必要があります。
先方の出して来る条件に疑問を感じたら、司法書士や弁護士に
相談されることをお勧めします。
次回は、物損の慰謝料請求ができるか否かについて
ご紹介します。
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