こんにちは
おおきまちの司法書士です。
普段から図書館に毎週のように通い、専門書以外の
雑多な本を読んでいます。
百田尚樹さんの作品は、最近では「海賊と呼ばれた男」や
「永遠の0」が有名になっていますが、それらの作品は
まだ読んでいません。
今回紹介する作品は、以前とあるTV番組で紹介されていたのを
ふと思い出して読んでみました。
主人公のマリアがオオスズメバチの働き蜂と言う、結構変わった設定です。
主人公を通してオオスズメバチの巣がどのように大きくなり
そして衰退していくのかが描かれています。
ミツバチは植物から蜜を採取してそれを栄養としますが、
オオスズメバチは昆虫をハンティングして成虫前の
蜂に与える習性を持っています。
成虫はハンティングするにも関わらず、昆虫を食べずに
蜂の子から甘露(唾液?)をもらい食料としています。たまに樹液を
補給用に食べることもあるようです。
主要な登場人物が擬人化されているため、狩りの状態や
他のミツバチやスズメバチの巣を襲う戦争を仕掛ける場面は、やけにリアルです。
逃げまどう昆虫を襲うシーンはちょっと刺激が強い感じです。
働き蜂は1ヶ月程度しか生きないようですが、その短い
一生は働きづめで終わります。
多くの生物は、自分たちの子孫を残すために生きている
と言っても過言ではありません。
人間だけが変わった感じになっていますが。
自然界の生活を慮ると、非常に厳しい生存競争が至る
所で行われています。
スズメバチは人間にとっても危険な昆虫ですが、その生態や
一生について書かれている珍しい小説です。
主人公のマリアは働きながらも、一時期生きることの
意義について疑問を感じますが、小説の最後の方で
自分が何のために生まれてきたのか、働き蜂としての
使命を認識します。
人間界でも、存在意義や使命(ミッション)について
認識することは大切ですが、そんなことに再び思いを馳せる
きっかけになる良い本でした。