抵当権の抹消と相続

こんにちは

おおきまちの司法書士です。


今日の福岡の最高気温の予想は35℃で実際は

34℃でした。7月に入ったばかりですが、いきなり

この気温は厳しいです。

6月はかなり雨が降ったのですが、7月に入ってからは

晴れの日が多くなってきました。



今回は、抵当権の抹消登記いわゆる担保の抹消登記です。

担保の抹消は個人の依頼者や銀行からたまに以来のある登記

ですが、登記業務の中でも比較的簡単な部類じゃないでしょうか。

ただ、簡単でも気を抜けないのが不動産登記です。


例えば、次のようなケースです。

A所有の土地・建物にAを債務者とするX銀行の抵当権設定登記

がなされています。

通常は保証会社ですが、簡単にするために銀行にします。

不動産所有:A
債務者:A
抵当権者:X銀行

この場合で、Aが死亡し相続が発生して子BCが相続人となるとします。

団信適用で債務が一掃されて抵当権抹消ができる状態である時、

相続登記なしで抵当権抹消はできるでしょうか?


これは簡単ですね。

答えは、相続登記なしでは抵当権抹消登記はできません。

Aの死亡によって団信適用になりますので、債務の返済は

死亡後になっています。

抹消の原因が相続よりも後ですので、相続登記をしてから

抵当権抹消となります。


では、次のようなケースはどうでしょうか。

不動産所有:AとB
債務者:A
抵当権者:X銀行

Aが死亡し、相続が発生したのは同じですが、共有者にBがいます。

この場合でも抵当権抹消の前提として相続登記は必要でしょうか?


答えは、相続登記なしでも抵当権抹消はできます。

権利者としてBだけでなくAの氏名も記載しますが、

あくまで申請人になっているのはBだけです。

権利者・義務者を登記申請書で表すと、こんな感じになります。

権利者  福岡県○○1番地1
(申請人)B
福岡県●●2番地1
A

義務者  福岡県△△1番1号
株式会社X銀行
(会社法人等番号    )
代表取締役 Z


通常は相続が発生したら相続登記を速やかにするべきですが、

相続人の中に行方不明者がいたり、未成年者がいると容易に

相続登記ができません。

その物件を売却する予定であれば、抵当権抹消だけでなく、

相続登記を何が何でもしなくてはなりませんが、先に抵当権抹消

だけしておいた方が良い場合にはこのような申請方法もあります。

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